日本昔一途話

ss書けた。朝だけど。
今日のマナー講習で寝ませんようにwwwwwwwww(ぁ

分類は恐らく節分ss。
もう少し頭が動いてれば可愛げがあったものに仕上がったかもしれない。
ちなみにss内のことは全部見て聴いて調べただけ。
それと、現実の団体、組織、なんとかかんとかには一切関係ありません。


以下「続きを読む」から本編





「なぁ、香霖。どうして節分には豆を撒くんだ?」

それは昼を少し回ったあたりの香霖堂。
そこへ襲撃してきた黒白の魔法使いが、いつもの定位置である壷の上に腰掛けて足をぶ

らつかせながそんなことを口にした。
そういえば今日は節分なのだ。
普段ならそんな突飛もない疑問もこの日に限っては、尋ねるべき妥当な理由が存在して

いるわけだ。
霖之助はちらりと手元の本から視線を上げると一言極めて完結に返答した。

「それはね、魔理沙。鬼が来るからだよ」
「……香霖、私を馬鹿にしてるのか?」
「まさかまさか」

どうにも魔法使いのお嬢様は気分を害したようだと見て取ると、古道具屋の店主はこほ

んと一つ咳払いをした。

「だけどね、魔理沙。節分に炒り豆を撒くのは、鬼が来るから、という明確な回答があ

る。だけども、何故鬼に豆なのかということは諸説あってこれだ、と一つきりに特定す

るのは少々難しいんだよ」
「なんだ、香霖も詳しくは知らないのか」
「いや、逆に多くを知っているからわからない、と言った方が正しい」
「はぁ?」

なにやら禅問答のような霖之助の回答に魔理沙は顔に疑問符を浮かべた。
霖之助は「そうだね」と前置きをすると、手元の本に栞を挟んで閉じた。
それがいわば店主が自慢の怪しげな薀蓄やらなんやらを語りだす前兆だということを魔

理沙は知っていた。

「つまり「知らない」と「わからない」とでは決定的に違うわけだよ」
「む。それくらいは私だってわかってるぜ」
「さっきも言ったが、鬼に豆を撒くということに何故と問われるとその回答は無数にあ

るんだよ。そのどれもが信憑性があり、公平的にどこかうさんくさい」
「ふぅん。香霖の口からうさんくさい、なんて言葉でるとはな。本当にうさんくさいな



霖之助は魔理沙の言葉を黙殺した。

「そうだね。節分の豆まき、という行為自体は隣の中国から伝わったとするのが一般的

だね。家の中にたまった厄や瘴気を追い出す儀式のことで追儺と呼ぶんだ」
「厄ねぇ」

ということは、今頃どこかの厄神が厄集めで、てんてこ舞いしているのかもしれない。

「それで普通は、というか広く知られているもので、何故鬼に豆なのかということに納

得がいく話だと、やはり『魔を滅する』という言葉が転じて『魔滅』から『まめ』とな

って、それで豆には間を滅する力があるとするものだろうか。ほとんど同じようなもの

で、鬼の目、つまり『魔の目に投げ入れて退治する』という話から『魔目』が『魔滅』

と言い代わったとする説もある」

話の本当かどうかはともかくとして、霖之助もいよいよ舌が回りだしてきたらしくさら

に言葉を紡いでいく。

「それから撒く時の豆だが、大抵は炒った豆を使う。これは普通の豆を撒いた場合に、

その豆から芽がでると縁起が悪いといわれているからだ。そして、五行の中で病いなん

かの悪いことを表す『金』を『火』で剋するという意味があったり、豆を炒るの『炒る

』が『射る』に通じていて鬼を退治するとしたりと、上げれば切がないほどに節分の豆

撒きには由来や伝承が多いんだ」
「ふーん。五行あたりの詳しいことは属性的にパチュリーの分野だな」
「まぁ、魔理沙は主に西洋の魔法の流れを汲んだ魔術式だからね」

話の一部が少しばかり自分でも知っていることに及んだので、魔理沙はそう口を開いた



「うぅん。そういえばパチュリーのやつはやたらと相手の弱点を見つけたり、攻めたり

してたけど、そこらへんはやっぱり相性からきてるんだな」
「そりゃあ、そうさ。五行っていうのはじゃんけんのようにどれかに強くてどれかに弱

いんだ。というか、魔理沙はそのあたりは考えたことはなかったのかい?」

霖之助の問いに魔理沙は彼女らしい不敵な笑みを浮かべた。

「弾幕はパワーだぜ」
「……そういえば、そうだったか」
「ああ、そうだぜ」

ささやかな胸を張って何故か自信満々に宣言する。
霖之助は中指で眼鏡のブリッジを押し上げて微妙にズレていた位置を調節した。

「……こほん」

そして咳払いを一つ。
閑話休題。

「そういえば……」
「ん? どうした?」
「いや、一つ思い出したことがあってね。なに、何故鬼に豆なのか、で諸説あるうちの

一つだよ。……まぁ、それを話す前にお茶を淹れてこよう。少し喉が渇いてしまった」

そう言って席を立つ霖之助に魔理沙が当たり前のように言った。

「私のも頼むぜ。あと、お茶菓子も」
「わかってるよ」

慣れとは実に恐ろしいものだ。
しばらくするとお盆に湯飲みを二つとせんべいが数枚入った碗を乗せて、霖之助が店の

奥から戻ってきた。
魔理沙は適当にひっぱりだしてきて眺めていた本を横に乱雑に置くと、霖之助が差し出

した湯飲みを受け取る。
放り出すように置かれた本を見て霖之助が眉をひそませたのは彼女にとっては些細なこ

とらしい。
霖之助もそのあたりはすでに諦めの境地に達しているらしく「はあ」とため息をついた

だけで結局何も言うことはなった。
それから、彼は椅子に腰を下ろして自分の分の湯飲みを手に取り一口口を付ける。
そして先ほどとは違ってくつろいだ表情で「はあ」ともう一度ため息をついたのだった



「で。香霖が思い出したやつってなんだ?」

ばりばりとせんべいを噛み砕きながら、魔理沙はまるで自分の家であるかのような寛ぎ

を見せながら霖之助に続きを催促した。

「ああ。まぁ、説、といっても地方の昔話みたいなもので信憑性も著しく欠けるような

話なんだがね。……そう、本当に昔話。昔々、あるところに一人の女性がいた。名前は

「お福」という」

霖之助は記憶を辿りながら話をしているらしく視線は遠かった。

「それで、ある日にそのお福のことを好きだという鬼が現れるんだ」
「また唐突だぜ」
「昔話だからね」

魔理沙のツッコミをさっくりと流して霖之助は続けた。

「鬼はお福のことを嫁にしようとするんだが、当然彼女の両親は反対する。そこで鬼に

一つ提案するわけだ「この豆から芽が出た頃にこの娘を嫁にやりましょう」ってね。そ

れで鬼は豆を受け取ってそれを土に埋めて待つわけだ、芽が出るまで。だけども……」
「いつまで待っても芽は出てこないってか?」

霖之助は小さく頷いた。

「その通り。なにせその豆は炒った豆だったからさ。それで、鬼はいつまで待っても芽

が出てこないので、再び家にやって来くるんだが、そこで両親は「芽が出ないのはきっ

とその豆が悪かったんだよ」といって再び炒り豆を鬼にやって追い返すんだよ。その次

の年も、その次の次の年もずっと」
「それでそれがそのまま豆撒きになったってわけか。ははぁ、だから『鬼は外、福は内

』っていうのか?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。何回も言うけど、諸説いろいろあ

るからね。どれが正しくてどれが間違ってるかはよくわからないんだ。それにこれは昔

話だからね。多くの人に伝えられてくるうちに話のところどころが変わってしまってい

る可能性が高い」
「ふーん。まぁ、そんなもんか」
「ああ、そんなのもだよ」

そこで話はひと段落ついた。
なんとなく窓の外に目をやった魔理沙は、外が大分暗くなってきていることに気がついて「あっ」と声を上げた。

「いけないぜ。日が落ちてからのフライトは乙女の柔肌には少しばかりキツイからな」

ひょいと壷から降りるとすぐ側に立てかけてあった愛用の箒を手に取る。
それから首に巻いたマフラーをもう一度しっかりと巻きなおして、頭に乗せた帽子の位置を確認する。

「じゃあ、香霖、私は帰るぜ」
「ああ、さようなら。次は是非とも客として来てくれよ」
「私はここの常連だぜ?」
「商品も買わずに茶とせんべいを食って帰る常連かい?」
「それじゃ、またなー、香霖ー」

気がつけば魔理沙は素早く店の玄関口からテイクオフして、裾から段々と黒に染まりつつある空へと飛び出していってしまっていた。
いつものことながら素早い。
その速さならば他にももっと生かすべき道があるのでは、と霖之助はつくづく思う。

「……」

とはいえ、騒がしさの原因は去ったわけだ。
霖之助は手元の本を手に取った。
そして、挟んだ栞を摘んで再びそのページから読み始めようとした時だった。

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん」

にょっきりと長い角を二本生やした生き物が現れた。
一体何処から、という質問は無意味だろう。

「……君か」
「ああ、私さ」

霖之助は彼女を良く知っていたし、その逆もまた然りだった。
それはずっと前から変わらない。

「さて、それじゃあ、まぁ、いつも通り――」

昔話というものは人の口から口へと移って広がり、残っていくものだ。
例えるなら伝言ゲームのように人から人へ、その中で話の細部がだんだんと変化していくのだ。

『あんたに貰った豆だが、いっこうに芽出てこないぞ。一体どうなってるんだ?』

だが、細部が変わってしまってもその話の大本にあるものは変わらない。

『おや、それはおかしいですね。どれ、鬼さん、こっちの豆と取替えてあげましょう』

幻想の中だけの物語は今もこうしてずっとずっと続いている。

『よしよし、芽が出たら迎えに来るからそれまで待っているんだぞ?』
『――ええ、わかってます』





























それからどした。

「ぐす、うぅ〜……、今年も炒り豆だったよぉ〜……また振られたよぉ〜……うわーん」
「よしよし、ほら、泣かないの。……うふふ、本当に困った友人だこと」

コメント

まぁ、今思えば恐ろしいほどすいかの部分は蛇足だった気がしないでもない。
だけども読んでくれて楽しんでもらえたんなら良かった!!!
感想、あざーっす!!

それは彼女と霖之助の1つの物語。
彼女は物語の鬼のように、「芽が出る豆」を求めていた。
だけど、霖之助は節分の恒例として、炒った豆を渡したという。

はてさて、霖之助がその真意に気づくのはいつだろうか。
それは、巫女の第六感にも分からぬことであった。

「へくしゅ……んー、なんだか不安な感じがするー」


萃香、南無w

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